物件を事務所や社員寮として法人に貸すと、個人に貸すより家賃が高くなることがよくあります。その一方で、税の落とし穴も増えます。家屋税は1.2%から3%に跳ね上がることがあり、法人は家賃から所得税10%を源泉徴収し、NT$20,000以上の支払いにはさらに2.11%の二代健保(第二世代全民健康保険)補充保険料がかかります。契約前に計算しておかないと、申告の時期に驚くことになります。
このガイドでは、借主が法人の場合に家主が陥りやすい4つの落とし穴と、身を守るための契約条項を紹介します。賃貸方式の全体的な比較は家主の税負担比較をご覧ください。
押さえておきたい3つの数字
- 営業用の家屋税:3%。台中市では固定税率で、自用住宅は1.2%です。
- 家賃にかかる所得税の源泉徴収:10%。法人が支払い時に差し引きます。
- 二代健保の基準:1回あたりNT$20,000。これ以上の支払いには、さらに2.11%の補充保険料が差し引かれます。
これらは台中市家屋税徴収率自治条例、所得税法(所得稅法)、全民健康保険法(健保法)に基づきます(2026年7月更新)。
落とし穴1:家屋税が1.2%から3%に上がることがある
当社の答えは、物件が実際に法人の営業に使われれば、事務所、会議室、倉庫、社員の作業場のいずれであっても、家屋税は営業用の税率で課税され、台中では自用住宅の1.2%ではなく固定の3%になる、というものです。法人がそこを登記上の所在地にしていなくても、実際に営業に使っていれば十分です。「登記していなければ問題ない」と考える家主は多いのですが、それは誤りです。
| 物件の用途 | 家屋税率 |
|---|---|
| 全国で1戸のみの自用住宅 | 1% |
| 自用住宅、または公益出租人が貸している物件 | 1.2% |
| 非自用住宅(全国での保有戸数に応じて段階的) | 1.5%〜4.8% |
| 営業用、私立病院、診療所、専門職の事務所 | 3% |
税率は台中市家屋税徴収率自治条例によります。
当社の見解: 物件の一部だけを法人が使っている場合、たとえば1フロアを事務所と倉庫にし、他のフロアは住宅のままという場合は、地方の税務局に実際の使用面積に応じた課税を申請できます。ただし非住宅部分は全体面積の6分の1を下回ることはできません。遡及課税を避けるため、用途の変更から30日以内に届け出てください。
落とし穴2:法人は支払い前に10%を源泉徴収する
借主が法人の場合、家賃を支払うたびに所得税10%を源泉徴収するため、家主が受け取るのは差し引き後の金額です。年末を過ぎたら家主が総合所得税を申告し、差額が還付または追加納付されます。法人は源泉徴収票(扣繳憑單)を発行しますので、申告の際に自分の記録と照らし合わせてください。
家賃の純収入を出す方法は2つから選べます。領収書が不要な43%の標準必要経費を一律に差し引く方法(家賃×57%が所得に加算される額)と、住宅ローン利息、家屋税、地価税、修繕費、保険料などの実額を領収書とともに列挙する方法です。住宅ローン利息の大きい築浅の物件では、通常、実額を列挙したほうが節税になります。
当社の見解: 家賃が税込みか税抜きかを契約時に法人と取り決めておき、源泉徴収分をどちらが負担するかで後からもめないようにしましょう。お問い合わせページから数字をお送りいただければ、担当者が税込み・税抜きどちらからでもグロスアップを試算します。
落とし穴3:二代健保の補充保険料
1回あたりの家賃の支払いがNT$20,000以上になると、法人は所得税10%に加えて、2.11%の二代健保補充保険料を差し引きます。2つは別々に計算して差し引かれます。NT$20,000未満であればどちらも差し引かれませんが、法人は翌年1月末までに税務署へ免扣繳憑單(源泉徴収なしの支払報告)を提出しなければなりません。
| 1回あたりの家賃 | 所得税10%の源泉徴収 | 二代健保2.11% |
|---|---|---|
| NT$20,000未満 | 源泉徴収なし(報告は必要) | 差し引きなし |
| NT$20,000以上 | 源泉徴収あり | 差し引きあり |
2.11%の税率は民国115年(2026年)も継続しています。
当社の見解: 月額家賃をNT$20,000未満にすれば補充保険料はかかりませんが、家賃も低くなります。事務所や社員寮の賃貸はほとんどがNT$20,000を超えるため、契約後に手取りが思ったより少ないと気づくのではなく、補充保険料を家賃設定に織り込んでおきましょう。
落とし穴4:売却時に自住優遇を失う
将来売却する予定がある場合、法人に貸すと、土地増値税(土地增值稅)と房地合一税(房地合一稅)の自用住宅の税率が使えるかどうかに影響します。これらの税率は、所有者または家族が実際に住み、賃貸や営業に使っていないことが要件です。法人の事務所や社員寮は明らかにこの要件を満たさないため、売却時に低い税率は使えません。売却時の税金と手取り額と自住優遇をご覧ください。
また、法人が登記上の所在地をあなたの物件に移す場合は、同意書への署名を求められます。契約満了時や中途解約時には法人が登記を移転しなければならないことを契約に明記し、賃貸終了後もあなたの住所に登記が残って税務調査の面倒を招かないようにしてください。
当社の見解: 近いうちに売却を予定している物件については、法人に貸すと決める前に、失われる自用優遇の価値を試算することを必ずおすすめしています。上乗せされる家賃が、自用税率で節約できる税金を常に上回るとは限りません。
外国籍の方へ: 自用住宅の家屋税1.2%と売却時の自用税率は、一般に所有者または家族の戸籍(戶籍)が要件で、外国籍のオーナーは通常これを持っていません。外国籍のオーナーにとって落とし穴4は台湾国籍の方ほど大きな変化ではありませんが、営業用の3%、10%の源泉徴収、2.11%の補充保険料はすべてそのまま適用されます。手取り額はお問い合わせページからご相談ください。
契約の注意点:法人の代表者を連帯保証人にする
法人に貸す場合は、その代表者に個人として連帯保証人(連帶保證人)になってもらいましょう。法人が廃業や解散をしても、未払い家賃や損傷について責任を負う人が残ります。契約には、家賃が税金と補充保険料を含むかどうか、法人が営業を停止または解散する場合の通知義務、原状回復義務の範囲も明記してください。強制執行条項付きで契約を公証すれば、さらに守りが固くなります。賃貸借契約の公証をご覧ください。
よくある質問
法人は私の住所に事業登記をしていません。それでも家屋税は3%ですか?
はい。家屋税は実際の用途に従います。物件が実際に法人の営業に使われていれば、事業登記がなくても3%が適用され、営業をやめていても用途変更を届け出ていなければ同様です。
家賃の支払いがNT$20,000未満です。何か差し引かれますか?
差し引かれません。所得税10%の源泉徴収も二代健保2.11%も、1回の支払いがNT$20,000に達して初めて始まります。それ未満でも、法人は源泉徴収なしの支払報告を提出します。
法人に貸すと、売却時の自住優遇に影響しますか?
影響します。自用の土地税率は、賃貸も営業使用もないことが要件です。法人の事務所や社員寮はこの要件を満たさないため、売却時に優遇は受けられません。
家賃収入から費用を差し引くにはどうすればよいですか?
2つから1つを選びます。領収書不要の43%の標準必要経費か、実額(住宅ローン利息、家屋税、地価税、修繕費など)を領収書とともに列挙する方法です。住宅ローン利息が大きい場合は、通常、実額の列挙が有利です。
建物の一部が自宅で、一部を法人に貸しています。家屋税はどう課税されますか?
地方の税務局に、実際の面積に応じて住宅用と非住宅用の税率で課税するよう申請します。非住宅部分は全体の6分の1を下回ることはできず、用途の変更から30日以内に届け出る必要があります。
まとめ
法人の家賃は通常高めですが、家屋税3%、源泉徴収10%、二代健保2.11%、自用優遇の喪失をすべて計算に入れなければ、本当の手取り利回りは見えません。お問い合わせページから提示された条件をお送りいただければ、実際の税額と手取り家賃を計算いたします。
